カナディアンロッキーのハイキング事情


★天候とシーズン★

 カナディアンロッキーは海から100キロほど離れた北米の内陸部に位置している。そのため日本の山に比べるとずっと乾燥しているのが特徴だ。
 日本では午後になると天候が悪くなるのが山の常識だが、ロッキーではそれほど当てはまらない。午前中どんよりと曇っていたのに夕方になったら快晴なんて事も良くある。雨が降っても日本のようにずぶぬれになることは非常に稀である。
 ただし、時には1日の天候の変化が究極に激しく、8月に雪が降る事も稀ではない。また、年に30回ほど「シーヌーク」と呼ばれるフェーン風が吹く。この風が来ると5分気温が20度以上上昇する事もある。
 ロッキーの夏は短いハイキングにお勧めなのは6月の半ば過ぎから。それ以前は残雪が残り、歩けない場所も多い。
 9月後半から10月の初めに好天が続き、真夏のように暖かくなることがある。これを地元の人たちは「インディアン・サマー」と呼ぶ。このインディアンサマーが終わるとロッキーは一気に冬の準備に入る。
 10月も後半になると雪が根雪に変わり始めるのでベストシーズンは4ヶ月ほどしかない。バンフの気温などについてはコチラを参照。


★ 地図 

 ハイキングや登山の地図というとカナダでは5万分の1の地図が一般的だ。地図は書店や国立公園のインフォメーションセンターで簡単に手に入る。
 日本語でカナディアンロッキーを紹介したガイドブックの最高峰は間違いなく、山と渓谷社の「カナディアンロッキー・ハイキング案内」。英語で書かれたカナダ発行のハイキングブックにに勝るとも劣らない内容なので出発前の計画を練るのにお勧めの本だ。


★ 持ち物 ★

ハイキングの必需品

 ロッキーの沢の水は寄生虫のため飲めない。6時間以上行動する場合、最低でも一人1,5リトルは用意しよう。
トイレット・ペーパー  入り口以外にトイレがあるハイキングコースは皆無。必ず持っていかないと大変な事に・・・
カメラとフィルム  日本の山と違い、売店は全く無いといっていい。使い捨てカメラはもちろんフィルムも手に入らない。フィルムとバッテリーは多めに持っていくこと。
メモ  旅の記録の必需品。歩くのにかかった時間をメモしておけば次回ハイキングの計画をたてるときに参考にもなる。
時計  時計は行動計画に必需品。ロッキーの夏は長い。太陽が高いので、まだ昼かな?と思っていると実は夕方だったなんて事もある。
ファースト・エイド・キット  日本やスイスのハイキングコースと違い、カナダではめったに人に会わないコースもある。最低の緊急医療知識は身につけておこう。
虫除けスプレー  カナダの蚊の量は半端じゃない。これ無しでは呼吸さえままならないこともある。カナダのスーパーマーケットには必ずあるので忘れたら必ず購入しよう。参考までにカナダで一番売れているのは「OFF」というスプレー。
ポール  山の事故の多くは下り坂で起きている。長い下りでは杖を使い足の筋肉をいたわろう。スキーストックで伸縮みするものが人気。
非常食  食料は少し多めに。携帯できて高カロリーなものを選びましょう。人里離れた場所で何が起こるか分かりません、山の常識です。
日焼け止め  高山植物の咲き乱れるアルパインメドウは2000メートル以上の高所。紫外線が強いので日焼けに注意。
ヘッド・ライト  いざという時の為に念のため持っていこう。
身につける物
帽子  日がよけられるもの以外に、防寒のためのニット帽も必ず用意する事。
サングラス  残雪があると照り返しがきつくめを開けていられない事がある。目を紫外線から保護するために必ず必要。
下着  綿の下着は使わないこと。綿は濡れるとなかなか乾かないばかりか冷えて体温を急激に奪っていく。また、綿の靴下も靴擦れの原因になる。アウトドア用の下着をオススメする。
セーター・フリース  どんなに暖かい日でも必ず用意する事、セーターやフリース以外に小さくなるダウンジャケットを持っているとさらに安心だ。
雨具  現在ゴアテックスが最高の素材。この素材、水は通さないが空気は通すので暑くてもあまり蒸れない。
 ほとんどのハイキングコースは整備が行き届いているが、もちろん道の悪い場所もある。足首をひねらないように踝まであるしっかりした靴を選ぼう。


ハイキング中の危険要素

ハイキングの必需品

 沢の水は飲めない。飲む場合は5分以上煮沸する事。ロッキーは野生動物が多く、彼らの糞には寄生虫が含まれていることもある。
野生動物とクマ  ロッキーで最もよく目にする大型の野生動物はエルクと呼ばれる大型の鹿。海外から来た人達には「大きなバンビ」ぐらいにしか見えないらしく、写真を撮ろうと近付いて攻撃に会い怪我をする人が絶えない。野生動物が出てきた場合、30メートルは離れる事。
 またクマに遭遇した話しもよく聞く。クマに出会った時の対処法は著書によってまちまちだが、共通して書いてあるのが、「急のつく行動は避ける」という事。それ以前に鈴を持ち歩いたり時々大声を出すなど、クマに遭わない努力をすること。また、クマ撃退のペッパースプレーを持ち歩くのも有効だ。
 特に春の時期多いのが「チック」と呼ばれる3ミリほどの小さな虫。これに噛まれると吐き気を催したり発熱する事もある。日当たりのいい草原などに潜むので、地面に寝転がった後などは必ず体をチェックする事。
雪崩  春はもちろん夏でも雪崩の可能性がある。ハイキングコースの上の方に雪が残っている時は十分注意する事。特に突然森が開けている場所は雪崩の通り道である事が多い。
氷河  ハイキングコースのそばに氷河がある場合は氷河の上には絶対乗らないようにすること。氷河の上に乗って十数メートル奥へ行くだけでクレバスがある可能性がある。一見安全そうに見えるが何人もの無知の人が亡くなっている。

 

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